カッコいいだけ(「仮面ライダーゼロワン」感想)

今回の内容は「仮面ライダーゼロワン」の感想です。

微ネタバレあり

総評

ゼロワンの見た目はgood!

しかしイマイチ盛り上がらないストーリー。

どうしてこうなった。

 

 

 

 

 

 

ストーリー概要

舞台は人とヒューマギア(AI搭載型の人型ロボット)が共存する近未来。ヒューマギアの人間からの解放とヒューマギアだけの世界を目指す組織、滅亡迅雷net. がある日、ヒューマギアを使ってテロ行為を行う。ヒューマギアを製造する会社(飛電インテリジェンス)の創業者の孫(飛電或人)は偶然そこに遭遇、そして飛電インテリジェンスの社長秘書(イズ)が突然現れ、或人に社長になることと仮面ライダーになることを要求する。最初は断る或人だったが、仮面ライダーになるには社長になることが条件であり、その場にいる人を守るために社長秘書の要求を受け入れ仮面ライダーに変身。人の笑顔のため社長兼仮面ライダーとして戦っていくのであった。

 

特徴

  • テーマはAI
  • 3つの勢力によるストーリー展開

人とヒューマギアの共存を目指す「飛電インテリジェンス」、

ヒューマギアファースト「滅亡迅雷net.」

人の可能性を追求(?)「ZAIAエンタープライズジャパン」

主にこの3勢力でストーリーが進む。ZAIAに関しては別の表現が正しいかもしれない。

  • 原点回帰を意識したデザイン

モチーフは初代の「仮面ライダー1号」と同じバッタモチーフ。触覚を思わせる二本の角に二つの大きな複眼など。平成仮面ライダーと比べるとかなり正統派で、初見の人でもで見ても仮面ライダーとわかるだろう。

 

評価点

  • デザイン

やはり何といっても「原点回帰を意識したデザイン」ではないだろうか。

平成ライダーは割と特徴的なデザインのものが多く、特に平成ライダーの最後の方は奇抜なものが続いていたのもあり(注カッコ悪いとは言ってない)、よりシンプルでスタイリッシュな見た目に正当派なカッコよさを感じる。

他のライダーはいつも通りのデザインだったが

  • 派手な動きをするベルト

平成二期の流れを継いでアイテムを用いて変身するタイプではあるが、アイテムをベルトに突き刺したときに「ガシャッ」と音を立ててパーツがスライドする様子は非常に男の子心をくすぐるものであり、遊んでいて楽しそうである。

アイテムはカセットテープのような見た目で種類ごとに色が微妙に異なり並べると見映えが良くカッコいい。(食玩だけ買ってました)

音声は基本英語で作品の雰囲気にもマッチ。

例えば主人公の変身アイテムの音声は"A jump to the sky turns to a rider kick"

このようにアイテムの能力を紹介するような音声が流れる。

 

気になる点

必殺技時に必殺技名が表示される。

正直ダサい。

子供でも抵抗があるのではないか。アニメでやるならまだしも実写のものだと、、、。

せっかく大人でも余裕で受けいれられるデザインなのにそういう演出をされると冷めてしまう。

  • 盛り上がらないストーリー

これから盛り上がるか?と思ってたらいつのまにか終わったというのが正直な感想。

原因としては「予想を裏切らない展開」、「主人公が浅い」が大きなものだろうか。

初めに「微ネタバレあり」と書いたがネタバレをされて聞かなきゃ良かったとなるほどの出来事がない。

恐らく大きな謎だったのは二号ライダー・不和諫関連だとは思うが、

変身できるのは頭にAI搭載のチップが埋め込まれているとか

戦う理由であった過去は架空の記憶だったとか

それなりに重要なことであり不和諫の成長要素に不可欠なことではあったが、中盤に判明して以来大して活用されておらず終盤の盛り上がりを助長するものではなかった。

そして主人公の成長性の無さ。

主人公の主張はヒューマギアと人との共存

ではあるが、何体も暴走したヒューマギアを見てそれと戦ったのにも関わらず、大して悩んでいる様子がなかったし、「共存できると信じてる」の一点張り。

挙句の果てに最終回近くで滅にイズを〇されたことをきっかけに身勝手な行動をとる始末。

事が片付いてからはイズそっくりのヒューマギアを作り終了。

今までのイズとは違うことを自覚しながらも新たな記憶を作っていくという切ないエンドと捉える人もいるかもしれないが、生命の尊厳を踏みにじる行為とも捉えられるのではないか。

というのも、故人のクローンを造る行為に似ているように感じるからだ。

廃棄されたヒューマギアを見て悲しそうにしてたシーンや人間と同様にヒューマギアを扱う態度を観てきたためにクローンイズを造った行為に、より一層の疑問を感じてしまう。

或人の記憶の中にあるイズみたいになるように新イズを調教しているようにも感じてしまう。或人が満足するための愛玩道具に思えて気持ち悪い。

最後に

デザインの良さ、テーマのAI、そして脚本と監督の方々が面白い作品を手掛けたこともあってかなり期待していたこともあり、なんでこうなった感が凄い。

勿論不測の事態で予定より5話少なくなったのは大きいだろう。

それでも、ヒューマギアによって失業した人にスポットを当てるとか、滅亡迅雷net.を崇拝する過激派ヒューマギア組織を登場させるとかしてAIの負の面を出して、或人に深みを持たせて欲しかったなあ。